【全国アマモサミット2015:後編】高校生サミット

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若者の斬新なアイディアで切り込め!

全国アマモサミット2015 in くまもと・やつしろ 」が、10月2日(金)〜4日(日)に熊本県で開催された。

アマモサミット3日目である、10月4日(日)に実施されたのは、高校生サミット。
全国各地から集まった高校生が、各地域の藻場やアマモに関しての調査結果を発表し、意見交換を行った。
主催者の一人であり、特定非営利活動法人 海辺つくり研究会・理事の木村尚さんは、『高校生サミットは斬新なアイディアが出てくる場となってきており、涙するほど素晴らしいものである。』と語った。
注目の高校生サミットとなった。

開催地である熊本県代表として参加したのは、熊本県立芦北高等学校 林業科 故郷環境保全班の生徒たちである。海の植物であるアマモを、山を主にフィールドとしている林業科が扱うという珍しいケースである。

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芦北高校林業科がアマモを扱うキッカケとなったのが、地域の環境を守るため、「魚付き林」※を造成することになり、地元漁協から「海のゆりかご」アマモ場を復活させてほしいと依頼があり、調査が始まった。
※魚付き林:昔から、漁業者の間には、海岸近くの森林が魚を寄せるという伝承があり、そのため海岸林や離れ小島の森林を守って来た歴史がある。そのような森林を魚つき林(うおつきりん、魚付林・魚付き林)という。

林業科という視点から、アマモが減少している要因は、上流域の森に土壌被覆力が弱いヒノキ等が多くなっているため、土壌が流れ込みやすくなり、アマモの生息域まで堆積物が溜まり、アマモの生息環境を悪化していると推定。
「山、川、海が繋がっているのだと、実感できることだった」と生徒たちはいう。
生徒たちは、森の間伐を適正に行い、多様な森林構造を形成し、土砂流失の軽減を図っている。その一方で、アマモが根付くよう、森からヒントを得た、ロープ式下種更新法という方法でアマモの定着・面積拡大を図っている。
これらの活動が地域の人たちに、理解を得ることにも繋がった。

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「湘南・海の森づくり」でもお世話になっている神奈川県立海洋科学高等学校の先生や生徒たちも参加。
「海をきれいに・海を豊かに・なかまと繋がろう」というテーマを掲げ、様々な活動を行っている学校だ。
神奈川県の沿岸域も他地域と同じように、干潟の減少・富栄養化、または工場排水等による環境変化に伴い、アマモが減少したと推定されている。
「海を豊かに」という部分で、アマモ移植を行っている。観察を続けると、塩分濃度が17‰〜37‰の値の中でアマモが生息できる環境である。
また、アマモを食べる海の生き物たちがおり、特に「アイゴ」という生き物が、多く観察することができたという。

愛知県立三谷水産高等学校は、アマモの役割はとても大切なことを知り、このことを他の人にもアマモを知ってもらおうと、アマモを説明する場面を設けてもらったが、アマモを知らない以前に海に興味がない人が多いと感じた。
そこで三谷水産高校の生徒たちは、地元の海では嫌われ者のアカエイを利用し、海やアマモの関心を得ようとする。
文化祭の出店にアカエイの唐揚げを提供したところ、反響が大きく、海やアマモの説明を聞いてくれる人たちが多かったという。
最後に「もっと海やアマモに興味をもってもらい、地域を盛り上げたい」と語った。

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また、京都府立海洋高等学校 海洋工学科海洋技術コースの生徒たちも、アマモの知見を知る人が少ないので、海洋工学科海洋技術コースの術を使い、サンドアートを作り、老若男女にアマモ文化を根付かせたいと、意気込みがすごかった。

各高校生たちが、いろいろな角度でアマモや藻場について共有し、笑いもあり、楽しく斬新なアイディアが出る発表であった。
その中で、共通している点は、「地域の人たちとの連携」、「アマモの文化を根付かせたい」という2点である。
会議に参加した岡山県日生町の漁業者の方が、「とても感動した。特に、大人がやろうという地域連携やアマモ文化を根付かせたいという部分を高校生がやっている。大人も見習っていかなければならない。」とコメントした。これには、会場中が納得した雰囲気であった。
そして、各高校が今後の活動について、意気込みを宣言した。
高校生ながら、堂々とした態度と発言であり、皆がとても素晴らしいと思える発表となった。

くまもん

最後に、熊本県の公式キャラクターの「くまモン」が登場し、八代市のキャラクター「とまピン」とアマモのキャラクターであるが「あまもん」と一緒に共演!くまモンダンスを踊り、高校生サミットは終了となった。

私たちも高校生たちを見習い、地域連携・アマモ文化定着に向けて、湘南の海をより豊かな海にしていきたい。