Interview

インタビュー ドルフィンスイマー 鈴木あやのさん
イルカも海も、知れば知るほど好奇心は膨らむばかり。

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鈴木あやの

鈴木あやのさん Ayano Suzuki
ドルフィンスイマー、写真家、水中モデル
東京大学農学部卒業、東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了
企業での研究職・商品開発職を経て、野生のイルカに出逢い、
イルカと共に泳ぐ感動や水中世界の魅力を伝えることを志す

2013年「イルカの暮らす島」個展 オリンパスギャラリー東京・大阪で開催
2013年7月「イルカと泳ぐ」鈴木あやの写真集 新潮社より刊行
2014年1月 日経ビジネス「2014 日本の主役100人」に選出される
テレビ東京「ソロモン流」、日本テレビ「未来シアター」、BS朝日「ボクらの地球・イルカの島の奇跡」
などのテレビ、CM、ラジオ、楽曲PV出演や、講演、執筆、映像制作などの活動を行う。

URL http://ayanoo.com

―あなたにとって、海はどんな存在ですか?

小さい頃から生き物や自然が大好きで、野山で遊んだり、身近な植物や生き物を観察したり
顕微鏡で見たりしていました。
海は、帰省した時に日本海で磯遊びをするくらいで、
実は海は日焼けするしベタベタするのであまり好きではありませんでした。

大学でバイオを学び、大学院修士課程を修了してから企業の研究職に就きましたが、
研究を仕事とすることに疑問を感じ、仕事とは一体何だろうと日々考えるようになりました。
会社を休職し、以前から訪れてみたかった小笠原諸島に一人旅をしました。
それが2007年の頃です。

小笠原諸島へは、陸の固有動植物に興味があって訪れたのですが、小笠原諸島の圧倒的な大自然に驚愕し、
ボニンブルーと言われるどこまでも碧い海に心打たれました。
そして、野生のイルカやクジラに会えると聞いて船に乗り、初めてイルカと出逢いました。

海の中で出逢った野生のミナミハンドウイルカは、ピーピーと高い声で鳴きながら、
なんと近寄ってきてくれたのです。

その一瞬の出来事で、私は恋に落ちてしまいました。
イルカの鳴き声、姿、愛らしさ。

1 見つめ合い、共に泳ぐ Ayano & Dolphin

「野生のイルカと泳ぐ」
ということを全く想像できなかった、想像しようともしていなかった自分が、
一瞬でイルカと海の虜になってしまった。

そして、そこから海に潜る素潜りの練習を始めました。
大海原を自由に、自分の呼吸だけで海に溶け込むように泳ぐ、その感覚の気持ち良さ、
魅力にとりつかれました。

2 野生のイルカと泳ぐ Ayano & Dolphin

野生のイルカと泳ぐようになってから、
「野生の動物と人間が心通わせ共に泳ぎ、共に生きることができる」
という感動をどうやったら伝えることが出来るだろうか、と考え、
ドルフィンスイマー、写真家、水中モデルとしての活動を始めました。

モデルとして、野生のイルカと目を合わせ心通わせ泳ぐ様子を発信。
更に、そのように泳ぐときに実際に見えているイルカの瞳や表情を写真家として撮影。
この二つの視点を組み合わせることで、より一層、
イルカと泳ぐ感動やこんな世界が存在するということを伝えられるのではないか、と思っています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今でこそ、私はイルカの人、海の人として認識されていますが、
ここまで海とイルカの魅力に取り憑かれたことに私自身が一番驚いています。

小笠原諸島には10回以上通って何度も野生のイルカと泳いでいますが、
小笠原のイルカはとても野生的で、向こうから近寄って遊びに来ることは、
実は数十回に一回くらいだということに後々気が付きました。
小笠原で初めて出会ったイルカは、
私がここまで海とイルカにはまることが分かっていたのかもしれませんね。

野生のイルカと泳ぎ始めてから、
小笠原、御蔵島、利島、能登、バハマ、ハワイ島、ジープ島など世界中のイルカと泳いできました。

4 凪の日、水面に映るイルカと御蔵島 鈴木あやの

中でも、島の周りに100頭以上もの野生のミナミハンドウイルカが棲息する東京都御蔵島は、
一番好きな場所でして、年に10回以上通い撮影と観察を続けています。
イルカの身体の傷や特徴から個体識別の調査研究がされているので、
通う度に同じイルカに会うこともでき、成長や命の育みを間近で観察することが出来ます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

―あなたにできること

野生のイルカと繰り返し泳いでいると、いろんなことが分かってきます。
イルカの生態行動、感情表現、群れの社会性。
泳ぐ度に新たな発見があります。
イルカも海も、知れば知るほど好奇心は膨らむばかりです。

海に潜り、野生のイルカと泳いだり、様々な魚や生物を観察する。
地球の7割を占める海は未知の世界で、尽きることの無い魅力の宝庫です。
そんな魅力を、これからも写真や映像、講演会などを通して伝え続けて行きたいと思います。

伝えることで、それらを見た人が感動したり興味を持つことで、
各々が自分なりに海に関わってくれたら、と思います。

海、陸、地球、宇宙、あらゆる生命が深く関わり合い、その中で私達は生きています。
私が発信する写真や映像が、
あらゆる人が自然と生命の関係について考えるきっかけになることを願っています。

6 野生のイルカと遊ぶ Ayano & Dolphin

「イルカと泳ぐ」写真集 鈴木あやの(新潮社)

「イルカと泳ぐ」写真集表紙 鈴木あやの